リフォーム用語【必要壁量】
2階建て以上の木造住宅や、延床面積50m2以上の木造住宅を設計・建設する場合、地震力や風圧力に対する安全性を確認しなければならない。その際に、「張り間方向」(小屋梁に平行な方向)と「けた行き方向」(小屋梁に直角な方向)それぞれに対する、構造上必要な軸組の長さ(必要壁量)の算定によって行われる。建築基準法では、地震力に対するチェックと、風圧力に対するチェックをそれぞれ行わなければならないと定めている。 ●例えば「地震力」に対する必要壁量は、2階建ての場合、1階部分が33cm/m2、2階部分が21cm/m2と決められている(金属屋根や石綿スレートなどの軽い材料で屋根を葺いた場合は、1階部分が29cm/m2、2階部分が15cm/m2となる)。 ●仮に1階部分の床面積が70m2、2階部分の床面積が40m2で、屋根を瓦葺きにした場合の必要壁量は、1階部分が33cm/m2×70m2で23.1m、2階部分が21cm/m2×40m2で8.4mとなる。建築基準法では、このようにして算出した必要壁量よりも、実際に取り付ける軸組の耐力(壁倍率)が大きくなければならないと定めている。 ●従って、1階では4.5cm×9cmの2ツ割筋交い(倍率2.0)が入った軸組が、張り間方向とけた行き方向に11.6mずつ入っていれば、「11.6m×2.0=23.2m」でOKとなる。また2階では、4.5cm×9cmの2ツ割筋交い(倍率2.0)が入った軸組が、張り間方向とけた行き方向にそれぞれ4.2mずつ入っていれば、「4.2m×2.0=8.4m」でOKとなる。